Comments コメント

  • 被写体を美しく見せることより、美しい被写体を見ることの無上の悦びに徹したこの監督は、見ることの悦びをいくえにも増幅させる驚くべき傑作を撮り上げてしまった。
    それは、必然的な奇跡以外の何ものでもない。
    蓮實重彦(映画評論家)
  • あなたも観るべき強烈な作品。私は好きだ。ガス・ヴァン・サント(映画監督)
  • 『鉱 ARAGANE』は暗闇の交響曲であり、塵と深度の感覚的な世界への旅だ。アピチャッポン・
    ウィラーセタクン(映画監督)
  • わたしたちは単なる坑道の壁を見ているだけではなく、坑夫たちの夢の重なりを見ているのだと言えないだろうか。つまり、沈殿した「映画」のかけらの堆積を観ているのだと。樋口泰人 (映画評論家・爆音映画祭ディレクター)
  • これは詩だ。闇の中で言葉以前の音と光と汗とが激しくぶつかり合い、打ち震える。これを観た誰もが、自分の中の詩的鉱脈の存在に気付くだろう。これは見知らぬ炭鉱ではなく、我々自身の精神の地下世界なのだ。 吉村萬壱(小説家)
  • 近代を支えた深奥へ。
    そこで震えやむきだしの音を体感し、闇を切り裂く光を目撃する。
    ヘッドランプをつけた坑夫だ。
    しかし、逆光ゆえに、彼らの顔を正面からとらえることはできない。
    その姿は異界の聖人のようだ。
    五十嵐太郎(建築評論家)
  • 小田香さんとは作品を観る前に一度会ったことがある。
    不敵な笑みの堂々たる女傑という印象で、それは『鉱 ARAGANE』を観て、改めて当然だと思った。
    光のない地の底に引かれたレールを、不気味な軋みを響かせ、ゆっくりと貨車が動く。
    延々と捉え続けるそのショットに、生命が死に絶えた世界をはじめて見た気がした。
    七里圭(映画監督/『眠り姫』)
  • 丁寧に写された瞬間の連続によって、地底の世界が描かれていく。魅入ってしまうと同時に、どれほど過酷な状況に身を晒していたのだろうと思いを馳せる。
    轟音と振動の止まない暗闇に居ながらも、小田さんの眼差しには「潔さ」と「繊細さ」の両方が持続し続けている。
    小森はるか(映像作家/『息の跡』)
  • 小田 香は新しい世界を発見しているのか。
    それとも、創り出しているのだろうか?
    明らかに、両方である。
    ジョナサン・ローゼンバウム(映画批評家)
  • サラエボのfilm.factoryにゲストとして訪れた際にこの映画を観た。
    小田 香は勇敢にも地中深い坑に降りて男たちを追い、厳しい労働のイメージを私たちに届けた。
    私は感銘を受けた。すばらしい映画だ。
    ジェームス・ベニング(映画作家)
  • この古いボスニアの炭鉱の深い坑道の中、ツルハシと勇気をもって、男たちは石炭を採掘する。
    この古いボスニアの炭鉱の深い坑道の中、ヘッドライトとカメラと真の正直さをもって、小田 香は純金を掘り出した。
    混じり気のない、映画的で人間的な黄金だ。
    ティエリー・ガレル(アルテ・フランス/
    ヨーロピアン文化チャンネル前ディレクター)

10月21日(土)〜 新宿 K’s cinemaにてロードショー

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